NHKスペシャル「亜由未が教えてくれたこと 〜障害者の妹を撮る〜」

一度はEテレで放送されていたが、見逃してしまったので、NHKオンデマンドで観た。
そしてNHKスペシャルでも放映されていたのがこの番組。

「亜由未が教えてくれたこと
〜障害者の妹を撮る〜」
NHKスペシャル | 亜由未が教えてくれたこと~障害者の妹を撮る~

お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、双子の妹も
日常の風景の、リアルな言葉・表情が映しだされていた。

自分の亡き後を本気で考えて行動に移しているお母さん、
自分の人生と姉の人生とのはざまで葛藤している妹、
笑顔の絶えない日常とともに、苦悩があるのは事実。

特に心を動かされたのは、最後のほうにあったお父さんの言葉。原文ではないけれど
このような内容だった。
「映画を観たい、旅行に行きたいというのがないかというとウソになる。
でも当たり前のようにそこにいてくれることの喜び、それが毎日の幸せ。
そんな気づきがあったのは障害児を子どもに持ったから・・・」

幸せそうな亜由未さんとの写真を見ると、偽りのない言葉なんだなと感じて涙が出た。

何ができるとか、できないとか、ではない。
そこにいてくれることが幸せ。親心はみなそのようなものなのだ。

新聞記者時代に、難病の家族を取材したときにも同じ言葉を聞いた。
「生きていてくれることがうれしい」と。
それが人間の尊厳というものだろう。

そしてもう一つ大切なこと。
人間の幸せとはだれにも邪魔されないもの。
比べられないもの。
自分だけが決めるもの。

苦しみも悲しみもあるけれども、その大きさと幸せの大きさは比べられない。