思考と言葉
取材して書くということは、その人の話していることをまとめることではない。
そもそも伝えたいことを100%そのまま伝えられる人なんてあまりいない。
話してしまった後に、言いたいことはああではなかった、もっとよい表現があったのではないかと悩むのが常。
思考と発した言葉との関係は100:1くらいではないだろうか。
言葉にするから思考になる、思考として形作られるという面もあるけれど。
だから、取材するとは、その人の言葉はもちろんだけれど、しぐさや間合いや声のトーンなどすべてを加味して全体を受け止めることではないかと思っている。
できるだけたくさん受け止めて、広報担当者として言葉にしたいこと、会社に置かれている状況などを考えて、その人の言葉としてまとめる。
できるだけたくさん受け止めるには、下準備が必要。その人に合った皿を用意しておくのだ。皿の形が違っていれば、聞いていても零れ落ちてしまう。
下準備とは、できるだけインプットしておくということ。そして自分の心構え。質問の流れを考え、その時の場を設計する。