お兄ちゃんだから は悪いのか

以前夫と議論になった。
次男が生まれ、長男に対して「お兄ちゃんだから○○」というしかり方をするかどうか。

私は、長男は好きで「お兄ちゃん」に生まれたわけではないから「お兄ちゃんだから」という言い方をしたくないと思っていた。
しかし、それを夫に言うと、そうはいっても年上のものは年下のものの面倒を見るのが世の常だ、兄は兄で生まれたからには「お兄ちゃん」としてふるまわなければならないと反論する。

兄が弟と同等だった場合。何が不都合か。
体力的にも知力的にもある程度の年齢までは、年が上のほうが勝っているものだ。
だから、ハンデなく勝負しようとすると年下の者は勝ち目がない。
対等に戦おうとするならばハンデを付けるべきだ。

しかし、ハンデをつけることと、「おにいちゃんだから」となんでも枕詞につけることとは違うのかもしれない。「お兄ちゃんだから」と言ってしまったとたん、思考停止が起こる。
きっと「お兄ちゃんだから○○しなさい」になるし、「お兄ちゃんなんだから○○はやめなさい」になる。
そのように頭ごなしに、すべて兄だからという理由で否定してしまったり、行動を制限させてしまうことが問題なのだ。

本当に「お兄ちゃんだから」という理由が成り立つのか。あまりそんな状況はないのかもしれない。
「お兄ちゃんは○○だから」と一つ一つ丁寧に説明しなければ理不尽なことを押し付けることになるのではなかろうか。

年上は本当に敬うべき存在なのか。
確かに日本社会では年上を敬うことが当たり前の風潮としてある。
それは単に儒教の影響だろうか。儒教という宗教と離れて日本文化として根付いているような気もする。