司馬さん

半藤一利の『昭和史』を読んでから司馬遼太郎熱が少し復活。

『清張さんと司馬さん』

清張さんと司馬さん (文春文庫)

清張さんと司馬さん (文春文庫)

を主に司馬さんの部分について読んだ。
作家としての、というより人間としての司馬さんが垣間見えた気がする。

1996年の2月に、すなわち自分が13歳の時に亡くなられたのだから(この時の記憶はまったくない)
作品を愛読して尊敬の念はやまないものの、自分にとって司馬さんは「過去の人」というか、「歴史上の人物」ともいえるほど。それが、半藤さんが編集者として向き合った時の司馬さんが描かれることによって、リアルに「生きた人」として現れた。

特に印象に残った司馬さんの言葉として

「結局、人生は自分の心の中にある美意識の完成だと思います。やっぱり、誰も知らない心の中の勲章をぶら下げて死んでいけばいいんだと思います」

ここで「美意識」という言葉を使うのが、才能というか、感性が際立っていると感じる。
自分が何を美しいと思うか、何に価値を置くか、何を大切に思うか、何を成し遂げたいか、その意識を「美意識」表現されたのだろう。

人生、自分の美意識が早いうちに見つかっている人をうらやましくも思う。
なんとなく方向性は固まっているのだけど、覚悟がない。美意識が固まり切っていないということなのか。

城繁幸さんは天才だなと思ってきたが、
http://jyoshige.livedoor.biz/
の主張もキレてるなあと感じた。

自分も受験制度によって吸い上げてもらった99%のうちの一人。
その99%がどう美意識を磨けられるか、ということ。